01 毘 沙 門 天 像 |
彫刻材の関係で各所にひび割れ、欠損が多発しており、また構造的な問題もありそうな事から、全面解体修理
框、礼盤座は材質に問題があり新規制作となった。 台光背は漆箔、仏身色あげ、全体に古色。 |
02 十 二 神 将 像 |
堂改修時に六体分の十二神将像の胴体が発見された。断片部材も発見された事から、復元することになった。
極彩色仕上げで、施主の希望により古色は施さない方針となった。 |
03 文 殊 菩 薩 像 |
湿気の影響か、彩色は触れると剥落する状態。木部接合部の接着力は失われ、漆下地の布地で形が保たれていた。
下地も厚く面相もつぶれていた為、全面解体修理 台、光背、獅子座等は漆箔仕上げに古色、仏身は直接古色を施した。 |
04 不 動 三 尊 像 |
光背等の彩色層は触れると剥落する状態。仏身は痕跡程度の彩色と、墨汁のようなものが塗られていた。木部は分離
緩み、割れ、脱落が著しく全面解体修理。仏身は下地に直接古色、台、光背は胡粉下地に極彩色後、古色。 |
05 不 動 明 王 像 |
修理が何度か重ねられており、目鼻が胡粉により埋もれている状態であった。重なった層を剥がすと力強い体躯。
面相が出てきた。 創建時の状態を推察し修理。彩色も復元の後、古色を施した。 |
06 高祖・太祖像 |
地震により建物が痛み、不備の状態が続いた為に急激に損傷が進んだと思われる。
残った彩色から文様を記録し、解体修理後、文様を再現し、軽く古色をつけた。 |
07 四 天 王 像 |
建物の損傷により急激に彩色層が痛みだしたと思われる。彫技、彩色の丁寧な像であるため、現状維持修理を心がけ
造顕時の意思を尊重し、欠損部分は新規制作の上、絵柄を再現し古色を施した。 |
08 聖 観 音 菩 薩 像 |
接合部材は全て分離し 台、光背とも補強の板に釘止めされていた。仏身は黒く煤け 台、光背は仏身と様式も違い
制作年代に差があった。 菩薩像の表情がすばらしく、現状維持様に古色を施した。 |
09 聖観音菩薩像
(一木造) |
小径木を用い、腐りやすい部分を多く含んだ用材に彫刻されていたため腐朽、虫害により用材自体の強度が無くなっていた。
樹脂で木地固めをし、強度を持たせた後、彫塑の手法で盛上げ復元。新規に台、光背を制作し、仏身と共に漆箔、古色 |
10 十一面観音菩薩像 |
外見上は仏身に大きな痛みはなかったが、光背周辺部の欠落をはじめ、天衣、化仏、持物等欠失部位が多く、また虫蝕も進行
しており、部材の多くが交換となった。 光背立ち雲をはじめ、各部を復元、新たに漆箔を施した。 |
11 薬 師 如 来 坐 像 |
寄木の構造をとっているが、各部材内刳りが施されていなかった為、大きくひび割れてていた。欠落、損傷も多く、
彩色もペンキの様なもので描かれていた。 全面解体修理の上、漆箔。古色を軽く施した。 |
12 阿弥陀如来立像 |
寸法の合わない厨子に無理に入れる為か、足や光背等途中で切り離され、台座に据えられていた。台座も関連なく重ねられていた。
仏身は解体し、木地を補強。慎重に造顕時の姿を再現、残存部分と組合わせ復元した。 漆箔の後に古色を施した。 |
13 阿弥陀如来三尊像 |
平安様式の優作だが、全体に非常に薄く、軽く彫られており結果として内刳りに通じる穴が何カ所も開いていた。
損傷箇所も多く解体、木地補強の上漆箔の上 軽く古色をつけた。堂内装飾、壁画も勢山社でおこなった。 |
14 地 蔵 菩 薩 像 |
剥落防止修理を予定していたが、調べてみると三度修理された痕跡があり、その修理が要因とみられる不具合が判明した。
古い層を慎重に剥がし、木地を修復し、古色の仕上げをした。 |
15 僧 形 像(尊名不詳) |
分離状態で箱に詰められていたが、偶然の事から発見され、修理することになった。 以前の彩色を落とし、可能な限り
小さな部材まで分解し、状態の悪い木部の修復を行った。再組立後、極彩色仕上。古色を軽く施した。 |