トップページに戻ります

仏像 30選 -1- (1〜5)

1.空也上人立像 (京都・六波羅蜜寺)
六波羅蜜寺空也上人立像

[木造・鎌倉時代・重要文化財・康勝(運慶の四男)作]

「南無阿弥陀仏」の念仏を唱える口から、六体の阿弥陀が現れたという伝承があります。「南無阿弥陀仏」の六文字を充てたものと考えられています。
やせ細った体躯に草履を履き、あごを突き出し、恍惚の表情で念仏を唱えています。

空也上人は延喜3(903)年生まれで、醍醐天皇の第二皇子であるとも伝えられています。諸国を遍歴して修行し、生涯特定の宗派には属せず、市井の布教者として終始活動しました。

2.雷神像(京都・蓮華王院(三十三間堂))
蓮華王院雷神像

[木造・鎌倉時代・国宝]

力強く躍動的で、下界を見下ろす姿は、しばし記憶のなかに深く刻み込まれます。
古代「五穀豊穣」を願って、風神とともに造営されたもので、この作品が後の雷神像のお手本となったそうです。

蓮華王院は、柱間が33あることから通称「三十三間堂」といわれています。1001体の千手観音と二十八部衆が所狭しと並んでいる様は、まさに圧巻で、雷神像は風神像とともにその両側に陣取っています。

ここは必見のお寺です。

3.阿修羅像(奈良・興福寺)
興福寺阿修羅像

[脱活乾漆造・奈良時代・国宝]

八部衆の一人、阿修羅はもともと古代インドの鬼神で、天(特に帝釈天)と戦う悪神とされていました。
いつからか自分の行いを悔い悩み、仏に救いを求めるような、何とも言えない切ない表情をしています。

仏教に取り込まれてからは、仏法を守る任務を負っています。


©フロリアンチッチ

4.広目天立像(奈良・東大寺戒壇院)
東大寺戒壇院広目天立像

[塑像・奈良時代・国宝]

四天王のうち、西方を守るのが広目天です。
甲冑を身につけ、右手に巻物、左手に筆を持って、邪鬼を踏みつけています。

眉間に皺をよせ、目を細めて遠方を睨みつける表情は、いつまでも見る者をひきつけます。

日本仏像の最高傑作と言っても過言ではありません。


©高橋秀明

5.十一面観音像(奈良・霊山寺)
霊山寺十一面観音像

[一木造・平安時代・重文]

人々の様々な苦悩を救済するために、あらゆる方向に顔を向けた十一面観音。作例は極めて多いのですが、その中でもこの十一面観音は、一度見たら忘れ得ない、たいへん特徴的な作品です。

4等身?の体躯は何ともユーモラス、かつ肉感的で、顔立ちも菩薩に似合わず厳しい表情をしています。他の十一面観音とは、一線を画す逸品です。


仏像30選6-10 に進みますIndex123456
Home仏像 30選 > 1(1〜5) ▲このページのトップへ戻る