1.空也上人立像 (京都・六波羅蜜寺)
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[木造・鎌倉時代・重要文化財・康勝(運慶の四男)作]
「南無阿弥陀仏」の念仏を唱える口から、六体の阿弥陀が現れたという伝承があります。「南無阿弥陀仏」の六文字を充てたものと考えられています。
やせ細った体躯に草履を履き、あごを突き出し、恍惚の表情で念仏を唱えています。
空也上人は延喜3(903)年生まれで、醍醐天皇の第二皇子であるとも伝えられています。諸国を遍歴して修行し、生涯特定の宗派には属せず、市井の布教者として終始活動しました。
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2.雷神像(京都・蓮華王院(三十三間堂))
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[木造・鎌倉時代・国宝]
力強く躍動的で、下界を見下ろす姿は、しばし記憶のなかに深く刻み込まれます。
古代「五穀豊穣」を願って、風神とともに造営されたもので、この作品が後の雷神像のお手本となったそうです。
蓮華王院は、柱間が33あることから通称「三十三間堂」といわれています。1001体の千手観音と二十八部衆が所狭しと並んでいる様は、まさに圧巻で、雷神像は風神像とともにその両側に陣取っています。
ここは必見のお寺です。
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3.阿修羅像(奈良・興福寺)
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[脱活乾漆造・奈良時代・国宝]
八部衆の一人、阿修羅はもともと古代インドの鬼神で、天(特に帝釈天)と戦う悪神とされていました。
いつからか自分の行いを悔い悩み、仏に救いを求めるような、何とも言えない切ない表情をしています。
仏教に取り込まれてからは、仏法を守る任務を負っています。
©フロリアンチッチ
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4.広目天立像(奈良・東大寺戒壇院)
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[塑像・奈良時代・国宝]
四天王のうち、西方を守るのが広目天です。
甲冑を身につけ、右手に巻物、左手に筆を持って、邪鬼を踏みつけています。
眉間に皺をよせ、目を細めて遠方を睨みつける表情は、いつまでも見る者をひきつけます。
日本仏像の最高傑作と言っても過言ではありません。
©高橋秀明
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5.十一面観音像(奈良・霊山寺)
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[一木造・平安時代・重文]
人々の様々な苦悩を救済するために、あらゆる方向に顔を向けた十一面観音。作例は極めて多いのですが、その中でもこの十一面観音は、一度見たら忘れ得ない、たいへん特徴的な作品です。
4等身?の体躯は何ともユーモラス、かつ肉感的で、顔立ちも菩薩に似合わず厳しい表情をしています。他の十一面観音とは、一線を画す逸品です。
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