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如来

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ルーツ

ここに登場する主な仏尊
釈迦如来
阿弥陀如来
薬師如来
毘盧舎那如来
大日如来
五智如来
阿閃如来
不空成就如来
宝生如来
仏頂・仏母


■三十二相
足下安平相 足が扁平足
足下千福輪相
(足下二輪相)
足の裏に千福輪という吉相がある
長指相 手と足の指が長い
足踵広平相 かかとが広く平らである
手足指縵網相 手足の指の間に水掻きがある→もれのないように という意味
手足柔軟相 手足が柔らかい
足趺高相 足の甲が高い
鹿王延膝相 膝は鹿のようにしなやか
正立手過膝相 たつと膝まで手が届く
陰蔵相 性器は体内に隠されて見えない
身広長等相 身長と手を横に伸ばした距離が同じ
毛上向相 毛は上向
毛孔生青色相 毛穴には青毛が生えている
金色相 全身が金色に映える
丈光相 体の回りに一丈ほどの光がある
細薄皮相 皮膚は薄くつややか
七処平満相 頸、肩、腰まろやかで肉付きがよい
両腋隆満相 腋の下も肉付きがよい
上身獅子相 上半身は獅子のように立派
大直身相 体はすっきりとしている
肩円好相 肩は丸みをおびている
四十歯整相 歯は40本あり歯並びもよい
歯斉相 歯は大きさが均等で隙間がない
牙白相 上下4本の犬歯は白く美しい
獅子頬相 頬も獅子のよう
味中得上味相 食べるものは最高の味
広長舌相 舌は体を覆うぐらい長く広い
梵声相 声は梵天のように5種の声が出せる
真青眼相 目は青く、紺青のよう
牛眼睫相 牛王のように美しい目
肉髻相
(頂髻相)
頭にこぶがあるように盛り上がっている
白毫相
(白毛相)
顔の眉間に白い巻毛(一丈五尺で右巻)が生えている→仏の知恵を表す


釈迦三尊像
北京の骨董屋で買った 釈迦三尊です。 観音開きになっていて、 開けるとこのようになります。 画像の左手が普賢菩薩、 右手が文殊菩薩で、 それぞれ、象と獅子に 乗っています。
  • 如来は最初は釈迦如来だけでしたが、釈迦入滅後、大乗仏教の成立により 仏教の教義が多様に展開した結果、多くの如来が考え出されました。 各如来には、多くの菩薩が従って修行しています。

特徴

  • 薬師如来以外は基本的に持物をとりません

  • 大日如来以外は、1枚の衣をまとうだけで、装飾品は身につけません(悟りを開いた釈迦の姿を表す)。

  • 髪の毛は螺髪(らほつ=小さくカールした髪の毛)で、如来独特のものです。

  • 三十二相(三十二の超人的な特徴を備える)、八十種好(八十の小さな特徴がある)と言われる特徴があります。三十二相は右欄参照。

主な如来像

釈迦如来

釈迦如来釈迦は実在する人物で、仏教の開祖となり神格化され、永遠に衆生を救済する仏として崇められるようになったのが釈迦如来です。東南アジアで作られる仏像のほとんどは釈迦如来です。

特徴

法隆寺に代表される、右手を施無畏印、左手を与願印に結ぶ例が多く、飛鳥時代には、左手の小指と薬指を曲げている作例(法隆寺金堂、室生寺など)もあります。ただし、禅系では、禅定印の像が作られる例が多い。
その他、初転法輪を表す説法印や、悪魔を追い払った時の降魔印を結ぶ例もありますが、日本での作例はあまりありません。
また、インド、中国、日本の三国伝来とされる京都清凉寺の釈迦如来(清凉寺式釈迦如来)は、栴檀の木造で衣服のひだが細かく彫られ、胸の周りは同心円状です。この釈迦如来を手本として、以来数多くの釈迦如来が作られました(西大寺、唐招提寺、西明寺など)。

釈迦八相と呼ばれる、釈迦の一生の節目ごとに仏像の形に特徴があります。

No.

八相

特徴

1

誕生釈迦

誕生釈迦生まれてすぐ右手を高く上げ、左手を下に指して、「天上天下唯我独尊」(世の中で自分は一番尊い)と述べた姿。上半身裸で腰に布をまとっているのが一般的。この時の姿には既に三十二相八十種好の原型が備わっています。東大寺の誕生仏が有名です。現在も4月8日に行われる花祭り(誕生会、灌仏会=釈迦誕生の日とされる)でお馴染みです。

2

樹下思惟像

青年期で出家前の姿。深く考え込んでいます

3

苦行釈迦

修行中で、痩せて骨と皮ばかりの姿

4

出山釈迦

苦行に見切りをつけて山から下りてきた姿。痩せて頬がげっそりしている

5

降魔成道

雑念や誘惑を退けて悟りに達する姿。この時釈迦は35歳だったといわれています

6

説法釈迦

説法をして教えを広めている姿。室生寺の像が有名です

7

涅槃釈迦

沙羅双樹の下で入滅しようとする姿。右肩を下にして寝ています。法隆寺五重塔の像が日本最古のものです

8

金棺出現

釈迦が入滅した後、一度だけ蘇って説法している姿。仏像としては存在していません

脇侍

釈迦三尊の場合は、一般的に左に文殊菩薩、 右に普賢菩薩を伴います(薬王菩薩・薬上菩薩、観音菩薩・虚空蔵菩薩、梵天・帝釈天などの組み合わせも見られます)。さらに文殊・普賢の脇侍に、十大弟子の迦葉阿難の二尊を加えた五尊形式の例もあります。

眷属

八部衆(釈迦に教化された異教の神々)や十大弟子(釈迦の主な弟子)を従える例があります(→その他の部参照)。


阿弥陀如来
阿弥陀如来

サンスクリット語で、アミターユスまたはアミターバといい、無限の寿命をもつものと訳されます。無量寿如来あるいは無量光如来とも呼ばれます。
日本では特に鎌倉時代に入って、浄土宗や浄土真宗の台頭により大いに信仰されました。
阿弥陀如来は西方極楽浄土の教主で、死に臨み「南無阿弥陀仏」を唱えれば、阿弥陀如来が迎えに来て極楽往生できるとされます。阿弥陀如来は、その修業時代(法蔵菩薩)に四十八願と呼ばれる誓いをたて、このうちの十八番目を王本願(おうほんがん)または弘願(ぐがん)または念仏往生願といい、「念仏を唱え阿弥陀に全てを任せた人々を救う」とされているからです。これが浄土系宗派の他力本願の元になりました。
鎌倉の大仏はこれです

特徴

九品来迎印(→基本形<九品来迎印>参照)と呼ばれる、両方の手とも親指と人差し指または中指、薬指で円を作るのが一般的です。

脇侍

阿弥陀三尊の場合は、左側に観音菩薩、右側に 勢至菩薩を伴います(密教系は逆)。

眷属

二十五菩薩を従える例があり、平安時代中期以降信仰を集めました。特に東寺観智院のものが有名です。

■四方仏
仏教では、東西南北に仏国土(仏の世界)があり、それぞれにその仏国土を治める仏が一体ずついると考えられています。北に「未来仏」の弥勒菩薩、南に「過去仏」の釈迦如来、西に「現在仏」の阿弥陀如来、東にも「現在仏」の薬師如来が配されています。
阿弥陀如来は現在仏ですが、西方はるかの極楽世界の教主であり、人がこの世を去るとき極楽浄土に向かい入れてくれます。
薬師如来は、瑠璃光世界の教主で、瑠璃光とはこの世のことであり、今この時代でご利益を授かることができると考えられています。

(過去仏、現在仏、未来仏の分類に関しては、宗派や経典または寺院によって諸説あります)

薬師如来
(薬師瑠璃光如来)

薬師如来サンスクリット語でバイシャジヤ・グルといい、現代でいえば医師を意味します。正式には薬師瑠璃光如来と称し、東方浄瑠璃世界の教主です。
十二大願(薬師如来が修業時代に、自分が仏になったら何々のことをしようという「誓い」を十二個たてた)といわれる現世利益を説き、主に病気平癒を願って古来多くの人々から信仰を集めました。奈良時代には薬師如来を本尊として、諸国に国分寺が建立されたことからも、信仰の厚さが伺えます。

十二大願は右欄の通りです。

特徴


飛鳥〜奈良時代

平安時代

持物である薬壺がなく、座像、立像とも右手は施無畏印、左手は与願印を結ぶ。多くは釈迦如来と区別しにくい

病気平癒の御利益が浸透して薬壺を持つ。右手は施無畏印を結んで、左手に薬壺をのせた座像もしくは立像。あるいは両手で法界定印を結び、その上に薬壺をのせた座像

薬壺を持っていなくても、右手の薬指が前に出ているのが特徴です。物を持つ如来はこの薬師如来だけです

脇侍

日光菩薩・月光菩薩を従える。昼夜を問わず、病で苦しむ人々を見逃さないようにするためです。

眷属

薬師十二神将(→その他の部参照)を従える例もあります。十二大願に対応して、薬師如来の分身ともいわれています。

七仏薬師(しちぶつやくし)

薬師如来の光背に七体または六体、あるいは七体同じ大きさの像、あるいは大きな薬師如来のまわりに小さな六体の像として表現されます。薬師如来が御利益を発揮するときの化身、分身とされています。七仏薬師の名称は右欄参照。

■薬師如来十二大願
相好具足 光明により全てを完成する
光明照被 瑠璃の光明で全てが成就する
所求満足 あらゆる生き物が自由自在に活動できるようになる
安立大乗 仏道に導く
具戒清浄 地獄に落ちないように指導する
諸根具足 障害を持つ人の体が正常に戻る
除病安楽 どんな病気でもすぐ治す
転女得仏 女性であることを望まない人を男に変える
安立正見 煩悩に苦しむ人も、解放する
苦悩解脱 悩み事をもつ人も、解放する
飽食安楽 飢えに苦しむ人も、美味しい物を飽きるほど食べられる
美衣満足 貧しく服も着れない人も、美しい衣服を着られる

■七仏薬師
善名称吉祥王如来 ぜんみょうしょうきちじょうおうにょらい
宝月智厳音自在王如来 ほうげつちごんおんじざいおうにょらい
金色宝光妙行成就王如来 こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅおうにょらい
無憂最勝吉祥王如来 むうさいしょうきちじょうおうにょらい
法海雷音如来 ほうかいらいおんにょらい
法海勝慧遊戯神通如来 ほうかいしょうえゆげじんつうにょらい
薬師瑠璃光如来 やくしるりこうにょらい

毘盧舎那如来
(びるしゃな)

サンスクリット語でヴァイローチャナといい、「光があまねく広く照らす」「太陽」の意味です。
略して盧舎那仏ともいわれ、「光明遍照(こうみょうへんじょう)」とも訳されます。
広大な仏教世界の中心に位置するのが毘盧舎那如来で、密教における大日如来は毘盧舎那如来をさらに発展させた仏法の宇宙そのものとされています。
釈迦が伝える真理の源が毘盧舎那如来です(法身仏→宗派の項参照)。
「華厳経」では三千世界の中心です。

特徴

奈良東大寺の大仏は、右手は第三、四指をやや曲げた施無畏印、左手を左膝上に置いて上を向けた与願印を結び、大仏座という蓮華坐上に結跏趺坐しています。
唐招提寺の毘盧舎那如来も東大寺の大仏と同様の作りですが、右手の中指と人差し指で輪を作っているのが特徴です。

脇侍

如意輪観音虚空蔵菩薩を従えます(東大寺)。

東大寺金堂盧舎那仏

東大寺金堂盧舎那仏
©高橋秀明


大日如来

毘盧舎那如来が密教教義の中でさらに発展し、特に真言宗系密教では最高仏とされ、釈迦如来や菩薩、明王など全ての仏は大日如来の化身とされています。
大日如来には、金剛界と胎蔵界の二つがあります。

特徴

一般的に蓮華座に結跏趺坐し、宝冠をかぶり、瓔珞(ようらく)、臂釧(ひせん)、腕釧(わんせん)を身につけます。

胎蔵界法界定印 法界定印(左の掌の上に右手の甲を重ね、両方の親指を軽く触れ合わせる形で、 最高の悟りを表します)

宇宙の一切の存在や現象は、母胎のような大日如来にやさしく包み込まれていることを表します
金剛界智拳印 智拳印(左手で親指を中に入れて人差し指を立てた拳をつくり、その人差し指の 第一関節から上を右手の拳で握り込む形で、最高の判断力である智を表します)

大日如来の智慧が何物にも傷つかない強さを表しています

曼荼羅は大日如来の世界を表したものです。それぞれ胎蔵界曼荼羅、金剛界曼荼羅といい、合わせて両界(両部)曼荼羅と呼ばれます。

大日如来
大日如来
智拳印を結ぶ金剛界の大日如来です
(山崎祥琳 作)
©山崎祥琳の部屋

五智如来
密教の中心である大日如来を囲んで、東西南北に4体の如来を安置する例があります。
(下図は分かりやすいように、上が北になるように記述しています)

金剛界

不空成就如来(または釈迦如来)
阿弥陀如来 大日如来 阿閃如来(または薬師如来)

宝生如来
胎蔵界

天鼓雷音如来(てんくらいおん)
無量寿如来 大日如来 宝憧如来(ほうどう)

開敷華王如来(かいけふおう)
本来は金剛界の五仏を五智如来といいますが、胎蔵界においてもそれぞれ同体であると解釈されています。
五智は仏の五つの智慧のことをいい、大日如来の宝冠を五智宝冠ということから、こう呼ばれます。

阿閃如来
(あしゅく)
鏡のように全てを映し出すという意味で「大円鏡智」と呼ばれる智を表します。病気を治します。薬師如来が密教にないのは、この阿閃如来と同等と考えられたためです。

特徴

左手で納衣の端を握り、右手は降魔印を結んでいます。


不空成就如来
(ふくうじょうじゅ)
ご利益を与えるために、するべきことを成就させることで、「成所作智」と呼ばれる智を表します。「不空」とは空っぽでない、充実したことを指します。

特徴

右手は施無畏印を結び、左手は手のひらを上にして足に置いている例が多い


宝生如来
(ほうじょう)
あらゆるものは平等であるという精神を説きます。宝も福も叶えますという意味で、「平等性智」の智を表します。

特徴

右手で与願印を結びます。


仏頂・仏母
(ぶっちょう・ぶつも)

密教の最高仏である大日如来から派生した諸々の仏です。仏頂とは、仏の頭の頂は普通の人々には見えない尊いものなので、仏の中でも最高の仏尊のことを指します。

一字金輪(いちじきんりん)仏頂

仏頂のなかでも最も優秀な仏尊です。一字とは仏や菩薩がこの一字に帰することから、また金は古代インド神話による最高の位を表すことから名付けられました。金剛界の曼荼羅に描かれるほか、彫像としては岩手中尊寺に遺っています。

大仏頂(だいぶっちょう)

如来の三十二相のひとつ、肉髻相の功徳を神格化したもので、胎蔵界曼荼羅に描かれます。これ以外にも、三十二相の功徳を神格化したものがいくつかあります(省略)。

仏眼仏母(ぶつげんぶつも)

あらゆる眼力をそなえた仏眼を尊格化し、また諸仏を生じさせる母であることから仏眼仏母といいます。 単独の画像として描かれるほか、胎蔵界の曼荼羅に描かれることから、金剛界の一字金輪仏頂に対応するものと考えられています。

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