<ナポリ〜ローマ>
2005/12/19(月)
(5日目) その1
気持ちよく身が引き締まるような朝、いよいよ最終日だ。
今日もとても良い天気、輝く太陽を背にして国道一号線をローマに向かう。
これが最後のバスでの長い移動だが、それにしてもこの4日間の走行距離の合計が1100kmにもなるからすごい。
イタリアの国土の三分の二が山地というだけあって木々が多く、12月後半なのでさすがにほとんどの葉が散ってしまっているが、外を眺めながら他の季節のことを想像するのも楽しい。
ところでイタリア人は思ったほど愛想がよくないという印象だが、それはどうも労働することが好きでないからかもしれない。
というか、神以外に時間を拘束されるのは不本意で、必要最低限働き、あとは面白おかしく暮らしたいというのがイタリア人的?な考えらしい。
だからかレストランでの食事の時など、まだ食べているのに「フィニッシュ?=もう食べ終わった?」と頻繁に聞きに来るし、フォークを置いたとたんにお皿が下げられたりで、落ち着いて食事が出来ないことが何度かあった。
なんで?と思ったが、もしかして早く仕事を終わらせ帰りたかったのかしら?
それと苦手なことは数字で、特に計算が嫌いで時間なども気にしないとのこと。
そのせいか現地ガイドの説明でも、山の高さなど100m違ったりすることがざらのようだ。今回も添乗員のMさんが、ガイドさんの言うことに、ん?と首をかしげる場面が何度かあった。
また規則はあって無いようなもので、壊れたものなど直さなくても平気だという。どうりでバスが時折かなり揺れたので、振り返って後ろを見たら道路に穴があいたままになっていた。それに剥れたままになっている壁も何度か見たし、埃まみれで傷だらけの車もかなり走っていた。
とにかく世の中そんなに段取りよく物事が運ぶわけが無い・・・それより人生楽しむことが優先!と思っているのが一般的なイタリア人のようだ。
ところが女性に対してはかなり親切で、羨ましいこと?に、男性は女性に何かにつけて花を贈るので花屋さんは唯一24時間営業というから、これもお国柄としか言いようがない。
それと関係があるのか母親を大切にする=?マザコンが多く、週末には必ずと言っていいほど母親のもとを訪れるから旅行ができない・・・と奥さんは嘆くそうだ。
どうも“帯に短し、たすきに長し”ということのようで、どこの国にも悩みがあるものだな〜と妙に感心してしまう。
ローマに向かう途中に長い笠松の並木道があった。
カプリ島にも似た木があり、まさか松?と思ったが、イタリアでは笠松は古くからの街路樹だそうだ。笠のように枝を広げているのでその名が付いたようだが、暑い日ざしを遮る大切な役割をはたしていて、気をつけて見ていると結構多く植えられている。
その並木道はイエス・キリストの一番の弟子ピエトロ(ペテロのオランダ語読み)が、イエスの教えを広める為に歩いた道とのこと。
ピエトロは、イエスが十字架にかけられる前に、周囲から3度「お前はイエスの弟子か?」と聞かれ、「違う」と答えてしまう。そのことを悔い布教に努めたであろうピエトロは、どんな想いでこの道を歩いたのだろうか・・・。