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南イタリアたび日記

2005/12/17(土)
   (3日目)
 その1

<アルベロベッロ>

 昔は美しい森だったアルベロベッロ(アルベロ=木・
ベッロ=美しい)のトゥルッリは、現在も人々の生活の場になっている。一軒の面積が20〜30uで高さ約3mのとんがり屋根と白い壁の外観は可愛らしく、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような気分だった。

ところがトゥルッリは、やせた土地でも収穫が出来るオリーブ栽培の為に貧しい農民が移住し、その地を掘り返すといくらでも出てくる石灰岩を使い15〜17世紀に建てたとの事。また当時は、領主の命令で屋根を壊したり造ったりしたとガイドさんの説明があった。建物のイメージとは違うその歴史に意外な感じを受けたが、でもだからこそ色々な知恵や工夫が生まれたのかもしれない。

トゥルッリの厚い壁には空気の通る層があり、壁の外側も内側も石灰で白く塗られている。外壁の白は、夏の40度を超えることもある強い日差しを反射し、内壁の白は少ない窓から入る光を乱反射させ室内を明るくする効果があり、ペスト予防にもなっていたそうだ。

 また窓が少ないのは、外気をできるだけ室内に入れない為。これらは、夏は暑く冬には雪が舞うこともある、アルベロベッロの厳しい自然の中で生活する為の工夫で、年間を通して室温は18度ほどに保たれているとの事だから、現代の建築工法も顔負け?

 暖房は今でもまきを使っている家もあるようで、いくつかの煙突からは白い煙が出ていたし、前に停められた車が生活感をかもし出していた。

 

イタリアは長靴の形をしているが、そのヒールの付け根に位置するアルベロベッロは1996年に世界遺産に登録された。だがトゥルッリを建て、また修復が出来る人は年々減っていて、現在は建築技術を伝えるべく後継者の育成に苦労しているそうだ。

 

高台からその集落を見渡しても、建物の近くでも白壁の建物は青い空に良く生える。

アイアピッコラ地区からモンテ地区に移動し、1時間ほどの自由行動になった。

 まだ9時半と時間が早いせいか、他の観光客はあまりいないが普段は訪れる人が多いのだろう。メインの通りには、見るだけでも楽しいお土産屋さんがたくさん並んでいた。

店には、パスタやオリーブオイルや調味料、トゥルッリの形をした置物やカラフルな色の人形や笛などが並び、「いらっしゃいませ」と日本語の貼り紙がしてある店もある。ここでも日本人は一番多い観光客なのだろうか。

旅先でのコミュニケーションは何より嬉しいのだが、今回は言葉が・・・でも身振り手振りでも何とかなるものだ。ちゃっかりチョコレートを試食させてもらったり、一緒に写真を撮ってもらったりして、つい耳たぶ型のトマト色とピーマン色?が混ざった可愛いパスタなどを、山のように買い込んでしまった。

あっという間に時間が経ち滑り込みセーフで集合場所に戻ったら、そこにはポチーラが・・・「もうおわかれだね〜」と名残を惜しんだ。

実はこのポチーラ、「フランチェスカ」という素敵な名前があったことを、別れてから知った。ポチーラ・・・じゃない、フランチェスカごめんね!