東松山曹源寺の「はなまつり」を訪ねました
                   
2005・5・12
 曹源寺では、お釈迦様の誕生を祝い、毎年5月の第2日曜日に「はなまつり」が行われています。
今年は19回目で、お祝いの法要の後にはアトラクションもあり、毎年大勢の参加があるとの事で
勢山さんが昭和63年に造顕した「弥勒菩薩像」との触れ合いの場にもなっているそうです。
 単独での取材・・・緊張の連続!
でも、子どもからお年寄りまでの異世代が、一緒に楽しんでいる「はなまつり」に同席出来た事は
私にとって、とても大切な体験になりました。
 今回はルポ文にもチャレンジ!最後に掲載です。

途中、緑がとても綺麗だった下沼公園
参加者の皆さんが次々と訪れました
本堂前では 粋輩(すい)の皆さんの
力強い和太鼓の演奏が!
「釈迦誕生仏」に甘茶をかけて参拝しました
子どもたちの真剣な表情が
とても印象的で、ほほえましかったです
みろく会(え)の皆さんから
甘茶を頂き喉を潤しました
本堂須弥檀の前には弥勒菩薩像が
お出ましでした
みろく会(え)の皆さんにより、いつもの場所から慎重に移動されたそうです
勢山さんが昭和63年に造顕した弥勒菩薩像は
曹源寺のシンボルとして親しまれています
釈迦誕生仏は、右手は天を左手は地を指し
「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん=この世に生きる全てのものの命を尊ばねばならない)の教えを示しています
お祝いの法要では、
子ども達も神妙な面持ちで般若心経を唱えました
法要の後はお待ちかねのアトラクション
松旭斎静花さんマジックの、見事な手さばきに目は釘付け状態!
続いての橘家富蔵さんの落語では、いつの間にか笑いが止まらなくなっていました
最後の、ユーモアあふれるご住職の法話に
再び笑いがこぼれました
出演者の皆さんに花束が贈られ
19回はなまつりは終了です
終了後、名残惜しそうに手を合わせる方も・・・
粋輩(すい)の皆さんの太鼓が、
はなまつりを締めくくりました
東松山駅から15分と伺っていた曹源寺さん。
道の迷いが気になりだした頃、かすかに聞こえてきたのが太鼓の音でした。
次第に大きくなるリズムに「もしや?」不安は薄れ期待が広がります。そしてやはり!
粋輩(すい)の皆さんによる和太鼓に導かれて、無事曹源寺さんに到着しました。
 
 ところで、4月8日はお釈迦様の誕生日です。
曹源寺では、毎年5月の第2日曜日に、旧暦での「はなまつり」を行っており、19回目を
数える今年の内容は、お祝いの法要に続き、松旭斎静花氏のマジックと、橘家円蔵氏の
落語との事。何だかとても楽しそうです。
 
 このはなまつりは、中村瑞峰住職の「曹源寺が地域に伝統などを伝える場になれば」
という趣旨に賛同した、みろく会(え)の皆さんが運営しています。
メンバーは檀家さんや地域の方たちの約70名で、一ヶ月ほど前からPRなどの準備が
始まり、当日も午前中から会場設営などが行われました。
 
 お祝いの幕が張られた山門をくぐると、本堂前には白像に乗った小さなお厨子があり、
その中に立たれているのが曹源寺の「釈迦誕生仏」でした。
身の丈6〜7cmでしょうか?右手は天を左手は地を指しているこの像は、「天上天下
唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん=この世に生きる全てのものの命を尊ばねば
ならない)というお釈迦様の教えを示しているそうです。
 
 1時を過ぎた頃から次々と訪れた参加者は、まずお釈迦様に甘茶をかけて参拝し、
頂いた甘茶で喉を潤して、景品のくじを引きお堂の中へ進みます。
ちなみに私もしっかり参加!くじでは2等が当たり、可愛いぬいぐるみを頂きました。

 お堂の中に足を踏み入れると、須弥檀の前に美しい佛様の姿がありました。
右足を組み、考え込むような独特なお姿の「弥勒菩薩像」です。
曹源寺の弥勒様は、この日だけいつもの場所からお出ましになリ、はなまつりに同席
するのです。
この弥勒菩薩像は、昭和63年に勢山さんが造顕された像で檜の寄木造りです。
1m60cm、光背を含めると2mほどの大きな御佛像で、今や曹源寺のシンボルとして
とても親しまれ大事にされています。
弥勒様はお釈迦様の後継者であり、遠い未来の覚者です。現在は菩提樹の下で深く
思惑にふけり、バトンタッチの日を待っているそうです。

 「はなまつり」は年に一度、佛と人々が身近に触れ合う貴重な時間でもあります。
弥勒様の移動は、みろく会(え)の皆さんの手で光背や台座などを外し慎重に行われます。
「普段触れる事のできない佛様に手を触れる事で、さらに親しみをもって欲しい」との
ご住職の言葉には、深い想い込められているようでした。

 午後2時、200人近くが席に着いたお堂で、みろく会(え)会長からの開式の言葉の後、
いよいよお釈迦様の誕生を祝う法要が始まりました。
厳かな雰囲気の中、子ども達も神妙な面持ちで般若心経を唱えます。
異世代が一つの目的の為に同じ時間を過ごすという、現代社会では忘れ去られがちな
懐かしい雰囲気に満ちた貴重な時の流れを感じました。

 法要終了後はお待ちかねのアトラクションの時間で、参加者はステージのほうへ90度
向きを換え、弥勒様も一緒に観賞のご様子。
松旭斎静花さんの、ハンカチや紐を使ったあざやかな手さばきと、楽しいトーク付きの
マジックに、大人も子どもも目は釘付け状態です。
続いての落語の橘家富蔵さんは意外にも真面目な語り口・・・ん?と思っていたら、
いつの間にか笑いが止まらなくなっていました。

 あっという間に時が経ち、最後のご住職のユーモアあふれる法話にも再び笑いがこぼれ、
出演者の皆さんに感謝の花束が贈られ、和気藹々とした雰囲気の中「はなまつり」は
終了しました。
手早く片付けが進む中、弥勒様の前には名残惜しそうな人も・・・。
「また来年ね!」と語りかけていたのかもしれません。

 外では力強い太鼓が1日を締めくくり、人々を送り出しています。
曇り空が気になっていたのでしょうか?おばあさんが「雨が降らなくて良かった・・・」と繰り返し、
近くにいた私に「また会いましょうね〜」と、声をかけてくれたました。
初めての単独取材に、緊張しながらも和気藹々とした空間での体験が、とても大切に思えた
数時間でした。

 最後になりましたが、突然お伺いしたにもかかわらず、快く取材をさせて頂けた事に
心から感謝します。