<ナポリ〜カプリ島>

2005/12/18(土)
   (4日目)
 その

南イタリアたび日記
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初日から時差ぼけは全く無く、モーニングコール前にちゃんと眼が覚めているので家にいる時より優秀だ。

今日はいつもより一時間早く7時半にホテルを出発し、20分ほどでサンタ・ルチア海岸に到着した。

9世紀に建てられた、ナポリで一番古い城「卵城」からはヴェスビーオ火山が見えている。

朝は曇り空だったので天気を心配したが、この分なら大丈夫かもしれない。

それにしても、[卵城]とネーミングが何だか変と思ったら、お城の地下に魔女が卵を埋め、その卵が割れるとナポリは滅びる、という言い伝えがあるそう。

 

港町ナポリはシチリア王国からナポリ王国へと移り、そのつど築城されたので古城が多い。卵城のすぐ近くには、13世紀に建てられた一番新しいお城「カステル・ヌォーヴォ」や「ブルボン家の王宮」「サンカルロ劇場」などがあったが、残念ながら車窓からしか見ることが出来なかった。サンカルロ劇場は一部を除いては当時(1737年建築)のままで、オペラのない午前中は見学も出来るそうだ。もう一日あれば本場のオペラ鑑賞ができたのに・・・と、これは本当に残念だった。

 ヘベレロ港を、カプリ島に向けて出発した高速船はほぼ満席だった。反対側の窓を見ると、海面が上下に動いているから思ったより揺れているようだ。動きに身を任せているからか、幸いなことに私はあまり揺れを感じない。

空はまだ厚い雲に覆われているが、ほんの少しの雲の切れ目から光が差し込んで、むしろ神秘的な光景だ。

 あっという間に一時間が過ぎカプリ島に着いた。外はかなり強い風が吹いていて、波が高く押し寄せている。身体も飛ばされそう・・・船が揺れたはずだ。

楽しみにしていた「青の洞窟」はクローズだった。がっかりだがこればかりは仕方がない。その代わりミニバスに乗って、アナカプリ地区に向かうことになった。

カプリ島の特産のレモンは、年に2〜3度収穫ができるそうだから、島の緑の多くはレモンの木なのだろうか。

いろは坂も顔負け?の急坂をぐんぐん登ると、眼下に青い海が見えてきたので心が浮き立つ。楽しみにしていた青の洞窟に行けなかったショックからすぐに立ち直り、我ながら単純と心の中で納得してしまう。

標高300mほどのアナカプリからソラーレ山頂までのリフトは、スキー場などにあるタイプで一人乗りだ。さらに良い景色を求めて300mほどを上ってみることにした。

リフトに乗り振り返ると、そこには青々とした海が広がりまるで南国の様相。

だが風が吹き抜けて寒い!最初は景色に見とれ夢中で写真を撮ったりしていたのに風でリフトがかなり揺れ、傾斜もきつくなってきたので突然恐怖心が湧いてきた。

怖いと思ったら一刻も早く降りたくなり、そのことで頭がいっぱいで、景色など眼に入らなくなるから不思議だ。

最後の数分は本当に長かった。

 でも、頂上では恐怖心がいっぺんに吹き飛んでしまった。

そこは素晴らしい、360度のパノラマの世界だった。海は青の濃淡のグラデーションが言葉では言い表せないほどの美しさで、強風で雲が吹き飛ばされたのか、いつの間にか晴れ渡っていてソレントがすぐ隣に見える。ソレントとカプリは元々一つの島だったが、中間が陥没して2つの島に分かれてしまったそうだ。

 

 帰りの船の桟橋はものすごい人だった。

こんな大勢の人が乗り切れるのかと思うほどの人並みが後から続いてくる。

そういえばカプリ島到着後、大砲のような音が聞こえたので何かなと思ったら、「サッカーの試合があるみたい」と同じツアーの人が言っていた。その試合が終わり、観客が一斉に帰るところらしいが、たくましい男性ばかりが私たちの後をぞろぞろ付いてくるので、まるでSPのようだね〜と、娘と笑ってしまった。

約4時間をカプリ島で過ごしたが、それにしても運がいい。

なんといっても天気に恵まれている。イタリアの今の時期は、他の季節に比べ雨が多いようだが一度も降られていない。

同じようなコースを回る他のツアーの人が、一日違いで雨だったと言う話をしていたから尚そう思う。